〜理学療法士YUNAの女性のカラダケアぶろぐ〜

理学療法士YUNAが更新するブログです.人生の中で様々変化する女性の身体に興味があり日々勉強中.女性のみなさんはもちろん、男性にも知ってもらいたい情報を発信したいと思っています.ウィメンズヘルス理学療法.産前産後ケア.尿もれ予防/改善.PHIピラティス(マットⅠ&Ⅱ/プロップス)

骨盤底筋とホルモン補充療法

*こんばんは*

前回のブログからこんなにも期間が空いてしまった。。

 

前回の記事は春に投稿したのに、あっという間に冬になってしまったな

スタッドレスタイヤに交換したけど、今年はまだ雪が本格的に降りませんね

 

ということで、久々に更新しようと思います!

 

 

 

タイトルの「骨盤底筋とホルモン補充療法」

以前こんな論文を読んだのでそれを紹介しようと思います~

 

Pelvic floor muscle training increase pelvic floor muscle strength more in post-menopausal women who are not using hormon therapy than in who are using hormon therapy: a randomised traial women

Flávia Ignácio Antônio et al(2018) .Journal of Physiotherapy 64: 166–171.

骨盤底筋トレーニングが、閉経後の女性においてホルモン療法を使用している人に対して使用していない人で骨盤底筋力を増加させるという内容の論文です。

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【Design】

無作為化で隠蔽されたコントロールトライアル、盲検研究者で治療企図解析

 

【Participants】

閉経後女性99人、そのうち38人は毎日の全身的エストロゲン/プロゲストゲン療法を使用していた.

 

【Intervention】

実験群(n = 51)は集中管理された骨盤底筋トレーニンプロトコールを受け、対照群(n = 48)は介入を受けなかった.

 

【Outcomemeasures】

12週目に圧測定で評価した骨盤底筋肉強度の変化

尿失禁症状の有病率および重症度は、アンケートを用いて評価

 

【Results】

88名の女性のデータを使用.

骨盤底筋肉トレーニングは、ホルモン療法を使用していない女性では8.0cmH2O(95%CI 3.4〜12.6)、ホルモン療法を使用している女性では-0.9cmH2O(95%CI -6.5〜4.8)増加させた.

また、ホルモン療法を使用していない女性では、尿失禁症状の罹患率が有意に高かった(オッズ比= 7.4;相互作用p = 0.028).

尿失禁症状の重篤度に対する影響の差は統計的に有意ではなかった(相互作用 p = 0.37).

 

【Conclusion】

骨盤底筋訓練は、ホルモン療法を使用している女性よりもホルモン療法を使用していない女性で骨盤底筋力を増加させる.

 

 

 

 

うーん、なんとも難しい。。

 

勝手なイメージでエストロゲン補充療法をしている女性の方が、骨盤底筋の強度はアップするのかと思っていた。

 

先行研究でもエストロゲン補充療法による筋強度回復については様々議論はされているようですね。

 

尿失禁の有病率への影響もここでは傾向でしか結果は出なかったですが、質の高いRCTとシステマティックレビューで、ホルモン療法が腹圧性・切迫性尿失禁のリスクを増加させるとも示した論文があるようで、ホルモン補充療法の尿失禁有病率に与えるメカニズムは十分に確立されていないようです。

 

 

ちなみに、この論文を読み進めると本文で伝えていることと表の記載が違うじゃないかとよく分からなくなり、著者にメールを送ったところ、

”Thank you so much for your e-mail. Our  co-authors are congratulating you for pointing out this important error!” 

と返信がきて、修正をした後また連絡をくれるとのことでした。表の記載ミスでしたよ

また連絡を待つことにしよう

 

 

エストロゲン補充療法は重度の更年期障害骨粗鬆症の治療法くらいしか知識はないのでまた調べてまとめてみようかな